アタシ社の雑誌「たたみかた」創刊号についての話とトークイベントのお知らせ

『髪とアタシ』を発行するアタシ社の新しい雑誌『たたみかた』が届いた。
創刊号の特集テーマは「福島特集ーほんとうはずっと気になっていました。」「30代のための新しい社会文芸誌」というショルダーフレーズがついている。

そう、30代が社会に触れる雑誌はいま、ない。

 

「わたし」に語りかける、小松さんの文章がとてもいい。

「誰かがやらなくちゃいけない」仕事がある

まだ最初のほうしか読んでいないのだけれど、福島在住の小松理虔さんが上野アメ横について書いたここに胸をうたれた。

トークイベントで、魚屋さんがこんなことを言った。「アメ横で魚屋をやるっていうのは、矜持と忸怩を2つ持たないといけないんだ」って。矜持と忸怩。プライドと恥じらい。アメ横で魚屋をやるのは、余所からしたら惨めな仕事かもしれない。だけれど、食に関わる以上、誰かがやらなくちゃいけない。そしてそこには誇りも存在しているんだって。そう言ってた。”
この場合は「食」だけど、「◯◯に関わる以上、誰かがやらなくちゃいけない」仕事ってたくさんある。

このところ考えているのは、さいきんはみんなコミュニティコミュニティというのだけれど、それは本当にコミュニティなのか、と。それはそれで(コミュニティと呼んでも)いいのだけれど、やりたいこともやりたくないこともやるのがコミュニティだし、自分がやりたくない仕事を誰かがやってくれることをリスペクトするのがコミュニティだし、嫌いなひとを嫌いと思ったとしてもその存在を排除せずに包括するのがコミュニティだし、そういうひとがいるからこそ持続できるのがコミュニティだと思う。

ということを小松さんの文章を読んで思い出した。

編集長の三根かよこさんのお父さんへのインタビュー。家族というのはいつだってテーマだ。

雑誌もまたレスポンシブデザインへ

いま僕自身も雑誌づくりをしはじめていて、この「たたみかた」はとても参考になる。いつも思うのだが、一般的な雑誌は凝って作られているんだけど全体としての統一感を圧倒的に欠いてしまっていて、ほんとうに読む気も買う気も失せる。雑誌が本当に「雑」誌だなぁとつくづく思う。一方で、最近のspectatorもそうだし、このたたみかたもそうだが、いくつかの雑誌は読みやすさを考えてくれている。
アタシ社の三根 真吾さんがこのまえ渋谷のラジオで言っていたのだけど、「何万字インタビュー」みたいな打ち出し方はしたくない、と(たしか)。この雑誌もインタビュー記事は多いけれど、ちゃんと編集されてまとまっていると思う。雑じゃない。

ポップな装幀が肩の力を抜いてくれる。

コンテンツ業界と(あえていう)業界のなかでの雑誌のシェアはスマホにどんどん侵食されている。それもそのはず、スマホはウェブの文章を読みやすく変換してくれる、いわゆる「レスポンシブデザイン」を搭載したわけで、雑誌がもつ「紙の読みやすさ」以上の価値をスマホが実現してしまったんだ。文字を読むことについて、雑誌は読者をリスペクトしてこなかった。雑誌はレスポンシブ対応したほうがいい。そういえば版元のウェブサイトの多くがいまだにスマホ対応していない…。
ともかく、この「たたみかた」おすすめです。


こういう話を含めて、今度、私と仲間で運営しているブックマーケット「本との土曜日」(4/22開催@日本橋)でミネシンゴさんを迎えてトークイベントを開催します。皆さんぜひ!
紙とアタシとボクと街|『髪とアタシ』ミネシンゴさんと考える 地域のために本とアタシができること〜
チケットはこちら▶ http://peatix.com/event/256114/

▼開催概要
開催日 2017/4/22(土)
時 間 開場:16:30  開演:17:00 終了:18:30
参加費 1000円(+ワンドリンク制)
定 員 40名
主 催 「本との土曜日」実行委員会
場 所 BETTARA STAND 日本橋 http://bettara.jp/
(〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-10-1)
アクセス 「小伝馬町駅」徒歩2分、「新日本橋駅」徒歩3分、「三越前駅」徒歩5分

株式会社三輪舎、代表取締役。「本との土曜日」ディレクター。編集者、兼業主夫。1982年茨城県生まれ。
東京学芸大学大学院修了後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社入社。長男の誕生を機に2013年退社。2014年、「暮らしのオルタナティブ」を発信する出版社として、株式会社三輪舎を設立。横浜市港北区在住。
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